トップ下は万能型のチャンスメーカー
トップ下のアルジャッサムもドリブルは得意だが、左右の2人よりボールを動かしながら危険なパスを狙うチャンスメーカーであり、ドリブルの警戒ばかりしているとスルーパスを1トップの選手や2列目から飛び出すアルアビド、アルシェハリにスルーパスを通してくる。
またシャドーストライカーとしての顔も持つアルジャッサムはオーストラリア戦でタイミング良くゴール前に走り込み、アルシェハリのマイナスクロスをダイレクトで合わせてゴールを決めた。同じ試合でペナルティエリアの左に切り込み、アルシャムラニのゴールをアシストしており、3人の中で万能性が高い選手だ。
アルシェハリとアルジャッサムはFKも危険だ。前者は左足、後者は右足で鋭い軌道のキックを蹴ってくる。いざ危険な位置からのFKになればGKの西川周作にゆだねる部分も大きいが、できるだけそうしたシーンを作らせない様に注意していく必要がある。もちろんFKを恐れてズルズル後ろに下がり、PKを誘われる状況になっては本末転倒だ。
彼ら3人に加えて不気味な存在がジョーカーのFWファハド・アルムワラドだ。1トップで先発が予想されるアルシャムラニも危険なストライカーではあるが、22歳のアルムワラドはカウンターから裏を取るプレーを得意としており、吉田麻也と森重真人の両センターバックがあまり得意としていないタイプだ。
彼が入った場合は1トップの後ろに2列目の3人が並ぶというより、4人が前線でシャッフルする様な状態になる。試合の終盤には両チームとも全体が間延びしやすいが、攻め残った選手が後ろから縦パスを受け、そのままドリブルを仕掛けるケースが多くなる。
そうした状況を最後までなるべく作らせないために、ハリルホジッチ監督としては流れによっては前線を活性化するだけでなく、中盤のインテンシティーを維持するための交替カードも考えていくべきだ。
(文:河治良幸)
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