サイドから仕掛ける2人のレフティ
アルシェハリは左利きの小柄なアタッカー。中央のトップ下を本職とするが、右サイドからは“逆足”のドリブルを果敢に仕掛けてくる。ポジション取りがうまく、スピードに乗せると相手ディフンスは1対1の“デュエル”の勝負に持ち込むことも簡単ではない。柔らかい身のこなしも特徴で、うかつにタックルするとうまい倒れ方で、危険な位置のFKを取ってくる。
基本的に左SBの長友佑都あるいは酒井高徳が対応するケースが多くなる。トップスピードでいきなり裏を狙ってくるタイプではないため、彼がボールを受けるところでタイトに付いて前のスペースを与えなければ行動は限定できるが、ターンから鋭く前に向くところでうかつに足を出すとファウルをもらいに来るので注意が必要だ。
左サイドのアルアビドはDFの酒井高徳が最も警戒する選手で、アルシェハリと同じく左利きだが縦の突破に特徴のあるタイプだ。10番(UAE戦はなぜか18番を付けていた)を背負うアルアビドは最終予選で4得点を挙げており、そのうちの3得点がキッカーをつとめるPKで記録したものだ。
アルジャッサムらとのワンツーなどを選択することも多い。常に曖昧な位置を取り、アルシェハリやアルジャッサムとも頻繁にポジションを変えるので、その動きに惑わされると周囲に危険なギャップを作ってしまいかねない。基本的には右SBの酒井宏樹がマッチアップする関係になるが、ボランチの山口蛍や長谷部誠とうまく受け渡しながら厳しくチェックしていくべきだ。
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