戦力の拡充を進めるデシャン。期待の新星も招集
ちなみに、合宿中の練習で足首と左膝を負傷して離脱したバイエルン所属のコマンの代役には、モナコでプレーする20歳のトマ・ルマールが追加招集された。
ルマールは15歳のときにカーンの育成部門にリクルートされるまでは、故郷のグアドループ(カリブ海に浮かぶフランスの海外県)でプレーしていた原石のような存在で、モナコのジャルディム監督をして「クリスティアーノ・ロナウドを彷彿とさせる」素質の持ち主だと評判の新星だ。
EUROにも帯同したアントニー・マルシャルではなく、また新たな若手を招集したことで、2年後のワールドカップ出場選手候補が広がったのはポジティブな状況。このスウェーデン戦では、終盤の88分に足を痛めたグリーズマンをカンテと交代した以外、デシャン監督は前半から同じメンバーで戦ったからルマーにも出番はなかったが、火曜のコートジボワールとの親善試合で出場機会があれば面白そうだ。
ともあれ、2016年のフランスの公式戦はこれにて終了。内容的には若干しょぼかったが、グループAの首位に立って終わったということで、『あったかい冬を過ごせそう……』というのが、翌朝のレキップ紙の見出しだった。
(取材・文:小川由紀子【パリ】)
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