スウェーデンが形成した2ラインによる鉄壁の守備
フランス側の選手がボールを持ってゴールを狙う場面になると、2列の守備壁を形成する選手たちが左右に動いて位置調整し、シューターから見て完全にシュートコースが消えるよう的確に配置を整えていた。シューターからゴールまでの間に黄色い障害物が互い違いに並んでいる状態で、狙いどころがまったくない。
おのずとフランスはカウンターに頼るしかなく、相手が完全に戻りきって体制を整える前にシュートチャンスを狙う攻め方になった。
Opta社の調べでは、ジルーは前半戦はたったの7回しかボールに触っていなかったというから、いかにスウェーデン側が巧みにラストパスを防いでいたかがわかる。
攻撃面でもスウェーデンは、うまく相手のスペースをついてジグザグにパスをつないでは前線まで上がり、何度かいい形でシュートチャンスを得た。
ただ、持ち上がった後のラストパスのタイミングと精度が今ひとつだったのが残念なところで、相手のDFラインを崩して侵入できていた場面もあったから、このあたりの精度がもっと良ければフランスのゴールはより早い時間に割られていたかもしれない。
後半戦に先制点を挙げたのもスウェーデンだったが、これはブンデスリーガのライプツィヒに所属するMFエミル・フォルスベリの華麗な直接FK(54分)。30m近い距離からの超ロング弾ながら、ゴールライン手前でボールがワンバウンドするまで、GKロリスはまったく動けなかった。
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