外国人監督が最後に信頼するのは従来の主力だが…
実際、10月のイラク(埼玉)・オーストラリア(メルボルン)2連戦でも、ハリルホジッチ監督は清武と香川を1試合ずつ使っており、2人を併用したい思惑が透けて見えた。香川をトップ下に配置する場合、1年5ヶ月ぶりに代表復帰した大迫とはオマーン戦で共演していないため、サウジ戦でタテ関係で形成するのはやや難易度が高い。
となると、やはり長年コンビを組んできた岡崎が最前線に入ることになる。この日の非公開練習中の紅白戦では香川が控え組に入ったとの情報もあるが、指揮官もギリギリの段階まで判断を先延ばしにするはずだ。
右サイドにしても、本田を外した場合の選択肢は浅野拓磨(シュツットガルト)、久保裕也(ヤングボーイズ)、齋藤学(横浜)のいずれかで、スピードスター・浅野の抜擢は確かに効果的なチョイスと言える。
が、クラブの苦境に関係なく代表で結果出し続けてきた本田を外した場合、チーム全体のメンタル面に影響が出る恐れも否定できない。セビージャで右サイドを担っている清武を配置する妙案もあるが、指揮官は代表ではテストしていない様子。この選択も現状ではなさそうだ。
ザック、ハビエル・アギーレ監督もそうだったが、外国人監督が土壇場で信頼を寄せる面々と心中するケースは多い。やはりハリルホジッチ監督も悲壮な覚悟を持って3枚看板にラストチャンスを与える…。最終的にはそういう決断になる可能性は大いにある。
こうした予想通り香川が先発する場合、あるいは途中出場であったとしても、オマーン戦の清武以上の存在感を示さなければ周囲は納得しないし、日本代表も勝ち点3を取れないだろう。
本人も「(オマーン戦で)キヨはキックの精度であったり、アシストする能力がホントに高いと改めて感じたし、自分も参考にする必要があるのかな」と素直に後輩を認めていた。とはいえ香川は試合に出場した際のイメージを具体的に描いている。