W杯に向けて中盤の安定感は不可欠。指揮官は一刻も早い“答え”を
そのポジション争いについて一つ興味深いのは、ハリルホジッチ監督がより経験豊富な選手を中央に配置することに傾きつつあるという点だ。柴崎岳(24歳)や遠藤航(23歳)、大島僚太(23歳)といった若い候補たちも試してきたが、あまり好印象は得られなかったようで、いずれも現在は対象外とされてしまっている様子だ。
28歳という円熟した年齢での代表初出場となった永木が招集されたことも、その傾向を裏付けている。オマーン戦での永木は代表での経験が最も浅い選手でありながら、先発したフィールドプレーヤーで2番目の年長選手だった。それでもさほど緊張した様子はなく、中盤の底で堅実なパフォーマンスを見せていた。
青山敏弘も指揮官の構想からは外れてしまったように見える状況で、ハリルホジッチ監督はキャプテン長谷部が負傷した場合などの代役として永木の起用を考慮する可能性があると捉えることができる。
「招集した理由について、監督から個人的に話を聞いたわけではないですが、ボールに向かって戦う力を評価してもらっていると思います。プレーする時にはその力を見せられるよう全力を尽くしたいですね」と永木は語った。
「守備的MFというのは、本当にチームの鍵になる可能性のあるポジションだと思います。自分に何がやれるかという自己中心的な本能を抑えて、中盤でコンビを組む選手のポジショニングを考えるべき時もあります。そういうバランスに気を配りつつ、チャンスがあれば前にも行けるようにしたいと思います。そういった形で自分の力を見せたいです」
だが火曜日のサウジアラビア戦は、早くも最終予選の折り返し地点であり、ハリルホジッチ監督にとって、各種のテストを行う時間は終わりに近づきつつある。6大会連続のワールドカップ出場を果たすためにはチームに安定感が必要であり、それを得るためには監督が適切だと考える中盤の組み合わせを一刻も早く見つけ出すことが不可欠だ。
(取材・文:ショーン・キャロル)
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