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川崎F、浦和との死闘制し天皇杯ベスト8へ。3度追いつきPK戦でJ1年間首位退ける

text by 編集部 photo by Getty Images

エドゥアルド
延長後半に起死回生の同点ゴールを奪った川崎FのDFエドゥアルド【写真:Getty Images】

【川崎フロンターレ 3-3(PK4-1) 浦和レッズ 天皇杯4回戦】

 第96回天皇杯全日本サッカー選手権大会の4回戦が12日に行われ、川崎フロンターレと浦和レッズが対戦した。

 J1の年間2位と1位による好カードは、その成績通りの緊迫したゲームとなった。代表招集で槙野と西川を欠く浦和は宇賀神が最終ラインに入り、GKはルヴァン杯でも活躍した大谷が務める。
 
 対する川崎Fは守護神チョン・ソンリョンが負傷から復帰。大黒柱の中村憲剛が欠場し、中盤には本職DFの板倉が起用された。キャプテンマークは今季限りでの退団が濃厚の大久保が巻いた。

 前半は両チームともスコアレスで終え、浦和はハーフタイムで高木を下げて李を投入する。その後も積極的に交代カードを切っていき、58分に柏木に代えて青木、71分に武藤に代えてズラタンを送り出す。

 3人目の交代を終えた直後の71分、森脇のロングフィードに抜け出した興梠が見事なコントロールでGKまでかわし、無人のゴールに流し込んで浦和が待望の先制点を奪う。

 川崎Fも森谷、登里に続けて75分に森本を投入して同点を目指す。すると85分、思わぬ形で大チャンスが訪れる。

 大久保のミドルシュートはDFに当たってコースが変わったものの、大谷にキャッチされてしまう。しかし、このシュートをブロックした森脇がハンドを犯していたとしてPKが宣告される。これを大久保が自ら落ち着いて決め、川崎Fが残り5分で同点に追いついた。

 喜びもつかの間、川崎Fに残酷な運命が待ち受けていた。88分、チョン・ソンリョンが李のヘディングシュートを至近距離でスーパーセーブで弾いたが、そのボールは競り合った際に倒れ込んでいた登里に当たってゴールの中へ。オウンゴールで浦和が勝ち越しゴールを得た。

 だが、これで諦めた選手は誰一人いなかった。後半アディショナルタイム突入直後、痛恨のオウンゴールを献上した登里が左サイドから速いクロスを上げると、ボールは流れてファーサイドの森本のもとへ。途中出場の背番号9は落ち着いてシュートを流し込み、川崎Fが土壇場で再び同点とする。

 後半アディショナルタイム終了間際には川崎Fが三好の強烈なミドルシュートでゴールに迫るも、GK大谷のファインセーブに阻まれてスコア動かず。延長戦に突入する。

 延長前半の97分、浦和はカウンターで青木が一気にドリブルで持ち上がり、李とのパス交換からダイレクトでシュート。GKチョン・ソンリョンもペナルティエリア内からのシュートを止めきれず勝ち越しを許した。

 これで終わりかと思われた118分、パワープレーのような形で前線に残っていたブラジル人DFが大仕事をやってのける。三好が左サイドからクロスを上げ、板倉が頭で折り返す。それをエドゥアルドが頭で押し込み、三たび同点とする。

 決着はPK戦に委ねられた。先攻の川崎Fは1人目の大久保が成功。浦和の1人目、阿部は一度ポストに当てて失敗してしまうが、GKが先に動いていたとして蹴り直しに。2度目はしっかりと決めて見せた。

 川崎Fの2人目、三好は確実に決める。浦和の2人目、ズラタンはチョン・ソンリョンの完璧なセーブに止められてしまった。さらに3人目の興梠も左ポストに当ててしまい失敗。川崎Fは3人目のエドゥアルド、4人目のエドゥアルド・ネットも落ち着いて成功させ、J1年間首位・浦和との死闘を制して天皇杯ベスト8進出を果たした。

 他会場では横浜F・マリノスが後半アディショナルタイムに天野純の直接FKでアルビレックス新潟に劇的勝利。鹿島アントラーズはアウェイでヴィッセル神戸を2-1で下し、サンフレッチェ広島はアンデルソン・ロペスのスーパーゴールなど3得点でサガン鳥栖に3-0の快勝を収めた。湘南ベルマーレは柏レイソルに3-1で勝利し準々決勝進出を決めている。

 川崎F、横浜FM、鹿島、広島、湘南の5チームと、先に勝ち抜けを決めていたガンバ大阪、FC東京、大宮アルディージャの3チームによって来月24日に準々決勝が行われる。組み合わせは以下のとおり。

横浜F・マリノスvsガンバ大阪
鹿島アントラーズvsサンフレッチェ広島
大宮アルディージャvs湘南ベルマーレ
FC東京vs川崎フロンターレ

【得点者】
71分 0-1 興梠慎三(浦和)
86分 1-1 大久保嘉人(川崎F)
88分 1-2 登里享平(川崎F、オウンゴール)
90+1分 2-2 森本貴幸(川崎F)
97分 2-3 青木拓矢(浦和)
118分 3-3 エドゥアルド(川崎F)

【了】

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