指揮官も絶賛。大迫の2ゴールは今後の戦いに大きな意味がある
存在感を示した大迫勇也【写真:Getty Images】
1年4ヶ月ぶりの代表復帰で先発出場のチャンスを得たFWの大迫勇也は「(応援のコールは)なつかしい感じがしましたね。ピッチの中のにおいと言うか、自然のモチベーションが上がりました」と語る思い出の地であるカシマサッカースタジアムで2ゴールを決め、代表指揮官に「このポジションに良い候補が見つかった」とまで言わしめた。
「正真正銘のゴールゲッターを探している」とハリルホジッチ監督は就任当初から繰り返し言ってきたが、攻撃陣の中でもゴールに最も近い1トップの選手がこうした目に見える結果を出したことは前線の“新たなソリューション”として、今後の戦いに向けても大きな意味がある。
「2点取ったからうれしいというのもあるが、私が要求したポジションを取ってくれた」と語る指揮官が「オフサイドで1点は取り消されたが、それがあれば3点取った」と主張する通り、リスタートの流れから本田圭佑のクロスに合わせた前半19分のシーンも大迫らしいフィニッシュワークが実りかけた形だった。
ここまで指揮官に称賛されたのは、大迫が明確な結果を示したことに他ならないが、そこに至る極めて質の高いプレーを見せたからである。ゴールを中心に分析していきたい。
<前半32分のゴール>
清武弘嗣のクロスを豪快なヘッドで合わせゴール左に決めたが、そこにいたるゴール前のポジショニングが実にストライカーらしかった。
左のライン際でボールを持った清武が右スペースへ走る山口蛍に向かってサイドチェンジパスを送る。その折り返しを受けようとした本田圭佑の手前で相手DFのアルムハイニが触ると、ボールがマイナスに流れてオマーンのMFアルシェアディに奪われてしまう。
その時、大迫はどう動いたのか。