可能性を垣間見せた永木と久保
後半23分から永木と交代して山口蛍(C大阪)とボランチを組んだ小林祐希(ヘーレンフェーン)もAマッチ2戦目にして初ゴールを挙げ、代表定着へ大きな一歩を踏み出した。終了間際の一撃は利き足の左ではなく右足。「以前の自分だったらダイレクトで打ってダフったり、ふかしたりしていたかもしれない。最初はダイレクトで打とうと思ったけど、フリーだから1回止める余裕があったし、周りが見えていた」と本人も前向きに語ったように、渡蘭から短期間で成長の跡が感じられた。
代表デビューした6月のボスニア・ヘルツェゴビナ戦(吹田)の時にはあえて流動的に動いてバランスを崩し「戦術無視」という批判にもさらされたが、今回はボランチとしてバランスを取り、守備面での貢献を第一に考えた。パス出しの部分では物足りなさもあったが、新たなポジションで手ごたえをのぞかせたのは確かだ。
この2人ほどのアピールはできなかったものの、初キャップを飾った永木、久保裕也(ヤングボーイズ)の2人は飛躍の可能性を垣間見せた。永木の方は「こういう緊張感は今までになかった」と代表戦の重みを感じたというが、清武との距離感をボランチのいずれかが近づけるという指揮官の指示を忠実に守り、攻守両面でのいいサポートを見せていた。
久保の方は後半26分からの出場。最初は岡崎と2トップを組んで、いきなり反転から左足シュートを放つなど、持ち前のゴールへの貪欲さを前面に押し出した。岡崎が「距離をお互いに見合えるので、抜けることも、足元で受けることもできる。個人的には2人とも裏に抜けたいと思うので、自分もお互いを生かせるような動きをやっていったらいいなと感じました」と好感触を口にした通り、久保を加えた2トップはチームの新たなオプションになりそうだ。
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