強烈なインパクトを残した大迫。サウジ戦では先発の可能性も
2018年ロシアワールドカップアジア最終予選前半戦で最大の山場となる15日のサウジアラビア戦(埼玉)を前に、多彩な角度からチームを検証しておきたかった日本代表。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督には、11日のテストマッチ・オマーン戦(鹿島)を最大限有効に活用することが求められていた。
指揮官はサウジ戦先発が想定されるキャプテン・長谷部誠(フランクフルト)、原口元気(ヘルタ)らを温存。1年5ヶ月ぶりの代表戦となる大迫勇也(ケルン)、2年5ヶ月ぶりの国際Aマッチ出場となる齋藤学(横浜FM)らをスタメンに抜擢し、ロンドン五輪世代7人を先発に送り出した。
同時に、所属クラブで出番の少ない本田圭佑(ミラン)、清武弘嗣(セビージャ)の状態チェック、代表実績の少ない永木亮太(鹿島)、丸山祐市(FC東京)らのテスト、終盤の2トップへの布陣変更など、大胆なチャレンジに打って出た。
こうした中、やはり注目されたのは、ハリル体制新戦力と位置付けられる選手たちのパフォーマンス。最も強烈なインパクトを残したのが2得点を挙げた大迫だ。
彼はご存知の通り、2014年ブラジルワールドカップメンバーで、代表キャップ数は「15」を記録しているが、ハリル体制では長い間、選考外の扱いだった。
だが、今季はブンデスリーガで2ゴール2アシストという活躍ぶりが買われ、先発のチャンスを与えられた。その貴重な場で、彼はドイツで得た自信と経験を遺憾なく披露。清武の浮き球のクロスを頭で叩き込んだ前半32分の先制弾、本田とのワンツーを経て清武が出したスルーパスを受けて決めた前半42分の2点目と、代表復帰戦で複数ゴールを奪ったのだ。
とりわけ、この2点目はDFアルムハイニ(13番)の動きを冷静に見極めて巧みなフェイントで相手をかわし、流し込む余裕が感じられた。「別にいつも通りプレーすれば大丈夫でしょって感覚でやった」と本人も語ったが、ケルンでFWとしてコンスタントに出場し、プレーの幅を着実に広げていることが大きいのだろう。サウジ戦では代表キャップ105試合を誇る岡崎慎司(レスター)をベンチに追いやる可能性もかなり高まった。