大迫と久保は何を期待されているのか?
当然ながら大迫には「ゴール前の仕留めるところを伸ばさなければいけない」と語るハリルホジッチ監督が言うところの“ゴールゲッター”として期待がかかるが、戦術面では1トップの役割をこなせるかどうか。
「フィジカルのクオリティとヘディングも強い。このような真ん中のFWはいないので貴重。(ゴール前)16メートルに入ってほしい」と指揮官が期待する大迫だが、この短い準備期間でフィットできるかどうか。
ザックジャパンの時は「(周りとの連携に)時間が必要」と語った大迫だが、ドイツでよりタフネスも身に付けているだろう。ただ、ケルンでは大型FWのモデストとコンビを組んでいることもあり、1トップで周囲に前を向かせながら、いいタイミングでフィニッシュを狙うプレーはあらためて見極めが必要なところだ。
もう1人の前線の新戦力、4年ぶりのA代表となる22歳の久保裕也に関してハリルホジッチ監督は「背後に向けてスピードもある。面白い選手。ただ2トップでプレーするオーガナイズ(のタイプ)で、それ以外は難しい」と語っており、よりオプションとして評価されているかもしれない。
スイスのヤングボーイズで国内リーグ3試合連続ゴールを記録している久保はベテランの長身FWオアローと縦の2トップを組み、衛星的な動きからタイミング良くゴールに絡む動きで主力に定着している。ケルンにおける大迫とモデストより縦の関係が明確で、その意味ではハリルホジッチ監督の指摘通りだ。
「久保はセカンドアタッカー。サイドで使う可能性もあるが、16メートルに入って行く。(タイプが)原口や齋藤学とは違う」と指揮官。サイドで起用する場合も期待されるのはドリブルなどの仕掛けより、斜めに飛び出していく形だろう。そのことからサイドでも現状はオプションの意味合いが強いと考えられる。