どう守るべきか。選手たちは意識の共有を強調
「ハリル監督のやり方は(アウェイの)オーストラリア戦とホームでは明らかに変えるので、すごく臨機応変に柔軟にやることが求められる。次のオマーン戦ではどういうサッカーをやるかという戦術もそうですし、どこでブロックを敷く、どこでプレッシャーをかけるというのもサウジ戦に向けてやることだと思う」
長谷部誠キャプテンがそう語るように、ホームで主導権を握りながら得点と勝ち点3を取りに行く戦いにおいて、高めのラインを敷きながら効率よくボールを奪い、ショートカウンターや迫力ある二次攻撃につなげるために前からはめるディフェンス、さらに背後のケアといった部分を確認する必要がある。そうなるとGKの守備範囲はより広くなるが、西川周作は個人の判断だけでなく、チームとしての共有が大事になることを強調する。
「ファーストディフェンスがはっきりしてくれれば、後ろの選手もコースを限定してスライドしやすいと思います。残っている選手に後ろが1人付いて、1人がカバー、そこの意識は90分間を通して基本的なことをやれるかだと思うので、逆に残っている選手を曖昧にしていれば自分が出るのも難しいですし、逆に食い付いてくれた方が出やすい」
こうした守備戦術はいくら座学的にロジックを突き詰めても、選手が試合で実行して体験しながら完成度を上げていくしかない。
もちろんオマーンとサウジアラビアでは危険な守備も違えばリズムも全く同じではないが、高い位置のブロックをベースに下げる時は全員で意識を揃えて下げるといった具合に体験を共有することで、大きな判断のズレなどは解消されるはず。言うまでもなく試合後にプレーをチェックして、試合に出ない選手も含めて確認作業を行うことは必要だ。
【2】前線のオプション強化
現在は[4-2-3-1]あるいは[4-3-3]をメインのシステムとして、位置に多少の違いはあれ1トップと左右のウイングという構成を採っている。オーストラリア戦では右ウイングの主力であった本田圭佑が1トップ(前半は香川真司と事実上の2トップ気味になる状況も多かった)を担ったが、新たなソリューションの候補として大迫勇也を招集した。