二枚看板で猛威を振るう可能性も
そういった意味ですでに周囲と連動してゴールに向かうプレーを確立しているケインの復帰は、トッテナムにとって大きなプラスとなる。アーセナル戦はPKの1点のみだったが、コンディションが上がってくればすぐに流れの中でのゴールも取り戻せるはずだ。
一方で、ヤンセンの決定力にも疑いはない。エールディビジ得点王のゴール嗅覚は本物で、徐々に周りと呼吸を合わせていけばケインとの二枚看板で猛威を振るう姿も想像できる。
1部初挑戦だった昨季もリーグ戦初ゴールまで開幕から2ヶ月かかり、1点が決まってから爆発的な勢いでゴールネットを揺らしつづけた。複数得点を奪った試合が6度あり、ハットトリックは2度達成している。1試合4得点という離れ業もやってのけた。
インテリジェンスに溢れ、極めて正確な両足のシュート、機転の利いたパス出し、試合を流れを読んだ的確なポジショニング、相手DFを外す技術……ケインという万能アタッカーの希少性と有用性は復帰戦で改めてその一端を見ることができた。そこにヤンセンの爆発力が加われば、トッテナムは優勝争いで台風の目になれるポテンシャルを秘めている。
(文:舩木渉)
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