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香川真司 8年前

“ジンクス”に終止符を打ったドルトムント。2シャドーの採用で香川にもチャンスが

text by 本田千尋 photo by Getty Images

香川にとってメリットの3バック+2シャドー

香川真司
2シャドーで香川にもチャンスは来るだろうか【写真:Getty Images】

 オーバメヤンのハットトリックによって、前半30分で既に決着はついた。後半にはさらにオーバメヤンとデンベレが追加点を奪う。後半に入って少し積極性を取り戻したHSVは、ミュラーが2ゴールを決めるが、時すでに遅し。ドルトムントが5-2で勝利する。オーバメヤンの躍動で“ジンクス”を吹き飛ばした。

 もっとも、ドルトムントが良かったというよりは、ハンブルガーSVが悪かったゲームだった。酒井はピッチ上で「今までやったドルトムントと比べるとあんまり…強くないな」と感じている。

 「回したい気持ちもわかるけど、回すクオリティもそんなに高くないし効果的なボールの受け方もしてないし。どちらかというと個の力でウチが簡単にやられすぎたということのほうが大きい。このドルトムントだったらブンデスの中位とそんなに変わらないなっていう。ただ1人調子の良いFWがいるという感じでしたね」

 敵の守備陣の崩壊によって勝利を収めたドルトムントだが、「調子の良いFW」=オーバメヤンに頼るだけでは、限界は訪れるだろう。そこで、このHSV戦でトゥヘル監督が[3バック+2シャドー]を採用したことは、“意味”を持つのかもしれない。 

 ロイスの復帰は少しずつ近づいている。昨季の後半戦で、ロイスは香川とともに2シャドーに入った。つまり、ロイスの復帰を見越して[3バック+2シャドー]の布陣を用いたのではないか。

 そして再び[3バック+2シャドー]を採用することは、香川にとっても悪い話ではないだろう。昨季の後半戦を振り返れば、当初は苦しんだものの、最終的に香川は[3バック+2シャドー]をモノにしている。慣れ親しんだ布陣だ。

 監督トゥヘルは「替えの効かない勝利」と振り返った。リーグ戦では9月23日フライブルク戦以来の勝利である。戦術的バリエーションを蘇らせながら、ドルトムントが1つ前進した、HSV戦だった。

(取材・文:本田千尋【ハンブルク】)

【了】

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