酒井高徳が話すドルトムントの戦い方の浸透ぶり
“ジンクス”に終止符を打った。2016年11月5日のブンデスリーガ第10節、ボルシア・ドルトムントはアウェイでハンブルガーSVと戦った。
ここ3シーズン、ハンブルガーSVとのアウェイでの対戦成績は1分2敗。なぜか勝てないジンクスに囚われていたドルトムント。だが、この日は違った。
開始4分、早くも先制する。左サイドを抜け出したプリシッチからのマイナスの折り返しを、モルがダイレクトでシュートを打つ。GKアドラーが弾いたボールを、オーバメヤンはただ押し込むだけで良かった。
ドルトムントはボールを持っている時の布陣を[3バック+2シャドー]とする。左ウイングバックのゲレイロが高い位置を取り、左ウイングのプリシッチが中盤に下がった。じっくりとボールを回しつつ、シンプルにDFラインの裏——特に右CBクレバーの後方のスペース——を狙う。
ボランチとして先発出場した酒井高徳は「ああいう戦い方っていうのはチームとして浸透してる」と振り返る。「FWの動き出しとか…別にボールホルダーが見てなくても裏にちゃんと動き出す準備がやっぱりできてるかな、と。それでこっちもリズムを掴めなかったかなというのもあるし、実際それで3点取られているので、そういうやり方にはしっかりハマってしまったのかな」
23分には、右サイドでモルが左CBジュルーからボールを奪うと、そのままドリブルで突き進む。GKアドラーの目の前でファーに走るオーバメヤンにパス。ここでもオーバメヤンは押し込むだけで良かった。
そして「3点」目。27分。バルトラがヘディングで前方に送ったボールに、オーバメヤンが抜け出す。スパヒッチは競り合うことすら叶わない。オーバメヤンは左足を振り抜くと、ボールは軽々とゴールに吸い込まれていく。