ドルトムント、ブレずに勝利。CL決勝トーナメントへ
ブレずに勝ち切った。2016年11月2日のCLグループF第4戦、ボルシア・ドルトムントはホームにスポルティングCPを迎えた。
貫くスタイルと目指す形がブレることはない。
「ポゼッションを高めてやる」
シャルケ戦の後で香川真司がそう話したように、3バックを中心に守備を整えるスポルティングに対して、ドルトムントは[4-1-4-1]でボールを回していく。ダービーで負ったくるぶしの腫れの影響で香川はベンチ外となった。インサイドハーフには、右にゲッツェ、左にカストロだ。
12分の先制弾はゲッツェから生まれる。プリシッチからのリターンをバイタルで受けると、右サイドのギンターへパス。ギンターのクロスを、ラモスがヘディングで流し込んだ。
その後もドルトムントが手堅くゲームを進めた。34分にはエリア内でゲッツェがプリシッチとワンツー。ゲッツェの折り返しを再びプリシッチがダイレクトでシュートを打つが、クロスバーに弾かれる。ゲッツェは狭いスペースで、正確な技術でチャンスを演出した。持ち味を発揮する。
後半に入るとインサイドハーフは右にカストロ、左にゲッツェにポジションチェンジした。また左SBのゲレイロがインサイドにポジションを取るようになる。精力的に動き続けたバイグルに加わって、ビルドアップに厚みを持たせようとした。
スポルティングは後半からワントップをカスタイニョスからバス・ドストに代えて反撃を試みたが、最後までドルトムントのゴールを割ることはできなかった。1-0のまま終了し、ドルトムントが決勝トーナメント進出を決める。
ギンターは「この勝利によって僕らは確かに新しい自信を手に入れた」と手応えを感じた。ダービーもドローに終わり、なかなか勝ち切れないゲームが続いたからこその喜びとも言えるだろう。
ドルトムントが「新しい自信を手に入れた」スポルティング戦で、香川は不在だった。しかし、いなくなって初めて…ではないが、香川のいないドルトムントを見ると、逆にトゥヘル体制下における香川の価値、特に左ではなく右のインサイドハーフで起用される理由も垣間見えてくる。