アジアの戦いで得た手応えと課題
グループCを2勝1分けの首位で通過し、迎えたU-19タジキスタン代表との準々決勝。開始8分にまたもヘディングから先制点を奪った小川は、2点のリードで迎えた後半28分には直接フリーキックを叩き込む。4‐0で快勝した日本は4大会連続で舞台に立つことすら逃し、いつしか日本サッカー界にとって至上命題と化していたFIFA・U-20ワールドカップへの出場権を危なげなく手にした。
控えメンバーで臨みながら3‐0で快勝したU-19ベトナム代表との準決勝を経て、再び先発メンバーに名前を連ねたサウジアラビアとの決勝戦。延長戦を含めた120分間を戦って自身もチームもノーゴールに終わったものの、183センチ、70キロの小川が放つ存在感は相手守備陣に脅威を与え続けた。
そして、PK戦にまつわるトラウマを払拭するかのように、自らの強烈なキックで決めたアジア制覇。小川は大きな手応えと「世界」と戦っていくうえでの課題を手土産に、小川は10月31日深夜に日本へ凱旋帰国している。
「今大会もクロスから得点を取る形がありましたけど、相手ディフェンスにどのような隙が生まれるのか、といったことを含めてクロスへの入り方がわかってきたというか。ただ、よかった試合もあれば悪かった試合もあるので、自分としては特に満足できるような大会ではなかった。もっともっと大事なところで点を取れる選手に、成長していきたいと思えるようになった。
世界には体の強い選手、前に強い選手が大勢いると思うので、そういった選手にも潰されないような体作りや体の使い方などで自分を成長させて、世界でも通用するプレーヤーになりたい。ワールドカップに対してはまだ実感がわきませんけど、自分とチームがどれだけ通用するかがわかる舞台だと思っているので、勝利というものを目標にすえながら一戦一戦に臨んでいきたい」