長期的だが断続的な代表の活動
一方、代表チームには時間がない。監督の在任期間を4年と考えると長期なのだが、その間に活動できる日数はかなり限られている。しかも断続的。そのため、あまりチームを作り込みすぎてしまうのは危険なのだ。
主力選手が起用できない事態になっても代役はいくらでもいるが、オーダーメイドの服のように出来上がっていると、新しい選手がフィットしにくい。メンバーが代わるとやり直しになりかねないわけだ。それでは継続性がないので、ただでさえ足りない時間の無駄になる。選手層の厚さという代表の特性も生かせない。
そこで、代表はこういうサッカーをするというアナウンスはしっかりやらなければならない。誰が来ても、代表のプレーをイメージしやすくしておく。ただし、あまりメンバーは固定せず、連係も作り込みすぎない。オーダーメイドではなく、既製服のままでしばらく推移させる。ぴったりしつらえるのは最終段階に間に合えばいい。
アギーレ監督のスタート段階は、そうした代表らしいものだった。中には、ちょっと難しいのではないかと思える人選もあった。あまり個々の選手を見極める時間もなかったのだろう。左利きのCBがほしいというような、監督側の条件を先行させていた。
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