放出候補と思われていたマタ
68分にアンデル・エレーラが2枚目のイエローカードで退場となったあとも、CBのダレイ・ブリントがセンターサークル付近でボールを配給し、セカンドボールを拾い二次、三次攻撃を行い続けた。ポゼッション率72パーセント、シュート37本、コーナーキック19本。圧倒的にバーンリーを押し込んだユナイテッドであったが、勝ち点3を獲得することはできなかった。
両サイドを深くえぐる、アーリークロス、中央でのダイレクトパス、そして身長190cm台の選手たちへの放り込み。様々な手法でバーンリーを揺さぶり決定的なチャンスも作り出していた。ズラタン・イブラヒモビッチを中心にゴールを決めきることはできなかったが、決して悲観する内容ではなかったことは事実だ。
またバーンリーの最終ラインの高い集中力、最後まで体を張った守り、何より”当たっていた”トム・ヒートンの活躍は称賛しなければならない。彼の活躍がなければ、バーンリーが今シーズン初めてアウェイゲームで勝ち点を持ち帰ることはなかった。
とはいえユナイテッドはこれで3試合連続無得点。複数ゴールを奪ったのはリーグ戦では9月24日のレスター戦が最後。上位を追いかけていくためには得点を奪いきることが必要だ。このレスター戦、4-1と快勝したヨーロッパリーグのフェネルバフチェ戦と攻撃が機能し、ゴールを奪いきれていた試合を振り返るとキーマンが見えてくる。フアン・マタである。
チェルシー時代の関係からジョゼ・モウリーニョが新監督としてオールドトラッフォードにやってきたとき、放出候補と思われていたマタ。しかし、ウェイン・ルーニーの不調などもあり、出場機会を得ると高い技術、正確なパス、献身的な守備などでモウリーニョ監督の信頼を確保。今や攻撃のタクトを振るうチームに欠かせない存在となっている。