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Jリーグ 8年前

磐田、守備は機能も課題を露呈。指揮官が求めるボール奪取後の質。残留に向けて最終節へ

text by 青木務 photo by Getty Images

「あの時とは全然違うと思う」(宮崎智彦)

3月の試合で浦和レッズを破るジャイアントキリングを演じたジュビロ磐田
3月の試合で浦和レッズを破るジャイアントキリングを演じたジュビロ磐田【写真:Getty Images】

「1stステージで戦った時の浦和も確かに強かったけど、まだシーズンが始まったばかりということもあった。今の方が成熟しているし、(ステージ)優勝が懸かっているという意味ではモチベーションもすごく高いと思う。あの頃とは比べ物にならないくらい強い」

 大一番に向けたトレーニングを始めた先週のことだ。大井健太郎が警戒を強めれば、宮崎智彦もこう口にした。

「あの時とは全然違うと思う。この試合で優勝を決めようという気持ちで来るだろうし、いつも以上の圧がかかると思う。僕らはそれに圧倒されないように。自分たちもアウェイで勝てた自信がまだ残っているし、ホームでもしっかり勝てればなと」

“あの時”から約8ヶ月。浦和の強さは当時のそれではない、と選手たちは評した。名波浩監督もあの一戦を参考にはするが「違う相手だと思って」挑むつもりだった。

 まだ寒さの残る3月6日、磐田の熱量は異様なまでに高かった。43,826人が声を枯らした埼玉スタジアムで、挑戦者は今シーズン最初のジャイアントキリングを演じている。

 望んだ戦い方ではなかったが、彼我の力量差を見定めた名波浩監督は、浦和にボールを握られることを前提に準備を進めてきた。

「選手たちを評価していますけど、年間通してこれが我々のやりたいサッカーではなく、非常にブサイクなシーンがたくさんあったと思う」

 2-1で勝利した直後の監督会見でこう述べた。

 スタイルを前面に押し出すという選択肢を封印した中での金星だった。J1昇格初年度の磐田が、対戦相手に圧倒されるのはある意味で当然といえる。1stステージでの浦和戦勝利は、自らの立ち位置をよく理解していたからこそ得られたものだった。

 リーグ屈指のチームから勝ち点3奪取。その成功体験が、磐田にはある。

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