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本田圭佑 8年前

ミランが身に着けた「苦しみながら勝つ方法」。徹底した守備への共通意識。決勝点は本田のFK練習が参考に

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

決勝点はボナベントゥーラのFK。本田の練習が参考に

ボナベントゥーラ
決勝点となるFKを決めたジャコモ・ボナベントゥーラ【写真:Getty Images】

 その耐え方を、今の彼らは試合ごとに身につけつつある。守備の場合にチームは4-5-1状にコンパクトに収縮し、守備での互いのサポートを忘れない。中盤の底の18歳ロカテッリもタフな守備でボールを奪いに行き、パス回しのみならず組織守備でも中心となっていた。インサイドMFの勤勉な様子は言うに及ばず、この日はホセ・ソサやマリオ・パザリッチといったレギュラー以外の選手も精力的に攻守両面の仕事をこなしていた。

 もちろん攻撃になれば、両ウイングのスソとニアンが違いを作る。特にスソは、攻撃に出るペスカーラのゾーンの隙間にうまくポジションを取り、パスを集めてチャンスを作っていた。たとえ得点には結びつかずとも、こういうプレーをコンスタントにやることで、試合を流れを引き寄せることができるというものだ。

 そして、決勝点はジャコモ・ボナベントゥーラのFK。壁の下を通したトリッキーなものだったが、参考にしたのは本田圭佑のキックだったらしい。10日前、セットプレーの守備練習が施されてしている際、相手側のキッカーとしてFKを蹴った本田は意表をついて壁の下を通すキックを決めたという。

「ジャック(ボナベントゥーラの愛称)はこれを覚えていたんだろう」とはモンテッラ監督の弁だ。念のため断っておくが、会見でボナベントゥーラの直接FKについてのコメントを求められて答えたもので、日本報道陣が無理やり本田へのコメントを求めた末に仕方なく答えた、という類のものではなかった。

 こういうふうに練習でも意欲的に取り組んでいたからこそ、前節のジェノア戦で本田は先発のチャンスをもらえたのだろう。だからこそ結果に結びつけて欲しかったのだが…。

(取材・文:神尾光臣【ミラノ】)

【了】

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