”レヴィア・ダービー”との相性がいい香川の出場は
8日の会見で監督トゥヘルが語るところによれば、シャルケ戦でシュールレは戦列に復帰する見込みだが、ゲレイロについてはリスクが大きいのだという。26日のウニオン・ベルリン戦で120分間フル出場したカストロとゲッツェは、疲労が懸念される。ウニオン戦で香川真司の出番はなかったが、22日インゴルシュタット戦でのパフォーマンスの停滞が、トゥヘルの中で尾を引いているかもしれない。
考えられるのは、第7節ヘルタ・ベルリン戦のように、前半を[4-2-3-1]で戦い、後半の途中から[4-1-4-1]に切り替えるというものだ。会見でトゥヘルは「相手より多くのミスをすることは許されない」とも語っている。コンパクトで勢いのあるシャルケの[3-3-3-1]に対しては、まず正確なプレーが要求されるところだ。
攻撃時に前に人数を掛けてくるシャルケに対して、主導権を握るためには、まず「バイグル+ローデ」の2ボランチが最適か。もちろん先制して前半を折り返すのが理想だが、正確なプレーを意識して前半はやり過ごし、後半に勝負を掛けるのだ。
シャルケの3バックの前の[3]は、左右両ウイングバックとボランチで構成されるが、後半に入って時間が進むと、ワンボランチの両脇にスペースが生まれやすい。そこで香川ら変化の加えることのできる選手をインサイドハーフに投入するのである。香川としても、ワンボランチであればプレーしやすい環境のはずだ。
何より香川は“レヴィア・ダービー”との相性がいい。昨季の前半戦ではヘディングで、後半戦では鮮やかなループで、それぞれ先制弾をたたき込んでいる。相性というと非科学的だが、フットボールの世界では意外に侮れないものである。
トゥヘルはシャルケを「男の中の男のチーム」と評して、“レヴィア・ダービー”を「ポカールの決勝」になぞらえた。
永遠のライバルと雌雄を決し、チームも香川も浮上のきっかけを掴みたいところだ。
(取材・文:本田千尋【ドルトムント】)
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