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Jリーグ 8年前

ルヴァン杯決勝でPK失敗の呉屋大翔、直後の試合で先発起用。指揮官の「メッセージ」

text by 舩木渉 photo by Getty Images

「期待したかったので先発で使いました」(長谷川健太監督)

長谷川健太
ガンバ大阪の長谷川健太監督【写真:Getty Images】

 それでもG大阪の長谷川健太監督は呉屋の「気持ち」を高く評価している。ルヴァンカップ決勝後の記者会見では「はじめは他の選手にPKを蹴らせようかなと思っていたんですが、その選手が『蹴りたくない』と拒否しまして。パッと呉屋と目があった瞬間に、『蹴ります!』と言ったので、なんて勇気のある、すごい気持ちのある選手なんだなと。勇気のあるPKを蹴ってくれた」と、その姿勢を称賛していた。

「外しましたけど、ここから呉屋が成長してくれれば、いつかガンバにタイトルをもたらしてくれるんじゃないかなと思います。彼はこの悔しさを自分の成長につなげていって欲しい」

 大学No.1ストライカーには当然即戦力としての貢献が求められる。周囲の期待も大きい。呉屋はそんな理想と現実の狭間で葛藤している。プロの「壁」を乗り越えるためのエネルギーを溜めている。

 失意のPK失敗から1週間、長谷川監督は勝たなければチャンピオンシップ進出の可能性が完全に消滅する重要な試合で呉屋を先発起用した。120分間とPK戦を戦ったとはいえ、直前の試合から1週間空いており、定石通りならばリーグ二桁得点に王手をかけている長沢駿がスタメンだろうと見られていた中で、ルーキーに勝利を託した。

「前回PKを外しましたけど、勇気を持って蹴ったことに対しての期待というか、彼が今日どこまで気概を見せられるのかというところに期待したかったので先発で使いました。1点目の起点にはなってくれたと思います。交代前の(井手口)陽介からのパスであわやというシーン、ああいうところを決め切れるような選手になっていってほしい」

 長谷川監督は22日の横浜F・マリノス戦後の記者会見で、長沢ではなく呉屋を起用したわけを明かした。1週間前のPK失敗から立ち直り、勇気を持って次の一歩を踏み出させるための抜擢だった。しかし、この試合もノーゴール。交代直前、井手口陽介からパスを受けてフリーで放ったシュートは無情にもゴールの上へと消えていった。

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