ついに得た成功体験
データもその成功を裏付けている。ペトロヴィッチ就任後、彼が年間を通して指揮を執った4シーズンのレッズの成績は3位、6位、2位、3位(年間順位では2位)。それ以前の4年間は7位、6位、10位、15位だった。今シーズンも少なくとも年間2位以上で終えることが確定している。
だがルヴァンカップの優勝は、改めてチームに信じる感覚を加えるものとなったはずだ。ついに成功体験を得た今、リーグ戦でも最後まで到達したいという意欲はさらに強まっているに違いない。
「決まった瞬間には嬉しそうでしたが、今はもう先を見て、次のことを考えています」と、ガンバ戦勝利後の監督の反応について問われた李は答えていた。「カップ戦はカップ戦として、僕らが目指しているのはリーグで優勝すること、国際大会(クラブW杯)に出場することです。浦和レッズのサッカーがどこまで行けるのか、楽しみにしています」
“シルバー”と“シルバーウェア(タイトル)”を隔てる障壁をペトロヴィッチが打ち破った今、レッズが次のトロフィーを手にするまで10年間待つ必要がある可能性はきわめて低そうだ。
(取材・文:ショーン・キャロル)
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