大一番直前での新監督就任発表
なんともいいタイミングだった。PSG対マルセイユという、通称『フレンチ・クラシコ』の直前に決まった、リュディ・ガルシアのマルセイユ監督就任だ。
マルセイユでは昨シーズン、4月に前任者のミケルが辞任して以来、フランク・パシ監督が暫定的に率いてきたが、その間、会長交代、クラブ売却などもあり、新監督探しは重要懸案だったにもかかわらず、後回しになっていた。
しかし10月17日、数ヶ月前から続いていた元LAドジャースのオーナー、アメリカ人実業家のフランク・マコート氏とのクラブ買収交渉が正式に完了。と同時に、すでにマコート氏の相談役としてクラブ買収にも関わっていたビジネスマンのジャック=アンリ・エロー氏が新会長に任命されると、その3日後の20日には、新経営陣は新監督にリュディ・ガルシアを迎えたことを発表した。
オーナー、会長、監督が相次いで刷新、と、マルセイユ再生に向けてなんとも激しく動いた1週間だ。ガルシア監督は10-11シーズンに国内リーグとフランス杯の2冠を達成、ASローマでも着任早々の13-14シーズンに開幕後10連勝という快進撃で準優勝を成し遂げた、フランスサッカー界きっての名将だ。元日本代表の松井大輔のル・マン時代の恩師でもある。
ガルシア監督についてマコート新オーナーは、「リュディに最初に会ったとき、彼は真っ先にこう言った。『私はチャンピオンズリーグで勝ちたいんだ』とね。彼こそがマルセイユを率いる男だと確信した」と語っている。