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日本代表 8年前

【識者の眼】U-19代表の勝因。鬼門だったアジア、過去最も“大人しい”チームはなぜ突破できたのか?

text by 河治良幸 photo by Hiroyuki Sato

A代表に学んだ選手だけでのミーティング

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キャプテンの坂井を中心に、チームでビジョンを共有していた【写真:佐藤博之】

“飛び級”選手として前回の悔しい敗退を経験しているキャプテンの坂井を中心に、そうした意識をチームとして共有。相手の強引な攻撃をしっかり受け止めながら、敵陣に生じるスペースを有効活用して縦の仕掛けを増やし、小川の直接FKによる3点目を呼び込むバイタルエリアでのファウル獲得につなげ、勝利を決定付けた。

「ポジションが真ん中っていうこともあるし、サッカーで言ったら心臓と言われる部分なので、絡んでない時も逆サイドの状況を見たりとか、後ろのリスクマネージメントをしたり、前に飛び出したりと、状況次第で周りに指示を出しながらうまく周りを使いながら自分も活きることを心がけた」

 キャプテンの坂井は大会を前に選手だけを集めてミーティングを行い、それぞれの考えを確認し合ったという。「僕はブラジルとかも経験させてもらっているので、ブラジルW杯の時に長谷部(誠)さんがミーティングを、僕と杉森(考起)も入れてもらったので、これを僕は活かしたいと思った」と語る坂井がまとめる形で“同じ方向を向いてやれば必ず勝てる”という意識を共有した。

 サッカーのビジョンの共有と勝利への意識の共有。どちらかと言えば過去のどの年代と比べても大人しい印象のあるチームではあるが、内に秘めるものには確かな強さがある。坂井はその代表的な選手であり、威勢良く引っ張るというよりはボランチという彼のポジションよろしく、チームの“潤滑油”となっている様子だ。

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