モンテッラ監督は擁護するも…期待を裏切るパフォーマンス
そんな本田も、前半終了間際からようやくサイドに張ってボールを受け、チャンスを作ろうとする。ところがそれでも、芳しい結果は出なかった。後半11分、エリア手前からドリブルでゴールに左足を向けたのち、後方から上がってきたマヌエル・ロカテッリにパスを出す。ところがロカテッリはトラップを流し、シュートに失敗。筆者の後ろからは「なんだよそのパスは!?」というミラン番の地元記者の怒号が聞こえた。ミドルを人に打たせるのではなく、自ら打って欲しかったのだろう。
前節ユーベ戦でスソがロカテッリに出し、ミドルシュートを演出したパスも似たようなアングルだったため、消極的で間違った判断とまでは言えないかもしれない。だがその2分後、本田は同じ位置からミドルシュートを狙いに行って失敗した。カットインをし、左足のシュートに行こうとするが、コースを切られているので諦める。そんなことを2度繰り返し、逆サイドまで流れて行ったのち、ボールを取られてしまった。ミランベンチが、アップ中のルイス・アドリアーノを呼んだのはこの直後だった。
試合後の記者会見では、モンテッラ監督に当然のように本田の起用理由に関する質問が飛んだ。ポーリと含めて、指揮官は彼らを擁護した。
「ジェノアの左サイドの連動は彼らの強みなので、そこを封じることを考えて起用した。彼らはいいプレーをした。熟慮したことなので後悔はしていない」
出場機会の少ない本田を思い切って起用したということは、練習の状態や姿勢を見て評価したからに違いない。だからこそ、この日のような出来で指揮官の期待を裏切ってしまったのは残念だった。
終盤に出てきたスソは、短い時間で素晴らしいプレーをしていた。得点はおろかチャンスも作れなかった本田に、しばらく次の出場機会があるかどうかは分からない。だが所属を続ける以上は、コンディションを上げてチームを盛り立てる義務がある。プロ意識に関しては疑っていない。自らを鍛え、再び這い上がってくれるものと期待する。
(取材・文:神尾光臣【ジェノバ】)
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