攻撃でも機能せず。チャンス作れず、試合から消える
攻撃では、ジェノアにばっちりと守備対策を取られた。プレビューでも少し紹介したが、ジェノアは独特のマンマーク戦術を取ってくる。本田には左アウトサイドのラクサールが張り付き、サイドはもちろんのこと、本田が中央へとポジションを取っても付いてきたのだ。
普通、アウトサイドの選手を中に釣り出せば、外にスペースができて味方のサイドバックの上がりを誘発することができる。ただ、ポーリにもしっかり人がくっついている。ボールの預けどころがなく、背後からはラクサールのプレッシャー前が向けなかったため、本田はワンタッチで後方にパスを出すことぐらいしかできなくなっていた。
攻撃が思うように機能しなかったのは左も同じだったので、前半30分過ぎからヴィンチェンツォ・モンテッラ監督はシステムを4-4-2へと変更する。サイドできちんと起点を作り、密集するジェノアのディフェンスを広げようという意図があったはずである。
ところが右サイドハーフに回った本田の動きはほとんど変わらず、ひたすら中へ絞って後ろを向き、ボールを要求し続けていた。もちろん背後にはラクサールが張り付き、中央は密集する。そんな状態では味方だってロストが怖くてパスが出せない。ボールは本田を経由せず、彼は当然のように試合の流れから消えた。
昨季にコンビを機能させていたイニャツィオ・アバーテも温存を理由にベンチスタートとなっていたが、ポーリではなく彼がいたら連携は作りやすかったかもしれない。だが本田も、サイドに張ってボールを呼び寄せなかったという点で、ポーリの攻め上がりを助けていなかったとも言える。