リオネル・メッシ(左)とクリスティアーノ・ロナウド(右)【写真:Getty Images】
フランス・フットボール誌は24日、サッカー界の年間最優秀選手に贈られる「バロンドール」の候補30選手を発表した。
2010年から2015年まで国際サッカー連盟(FIFA)の「FIFA最優秀選手賞」と『フランス・フットボール』誌の「バロンドール」が統合し「FIFAバロンドール」となっていた同賞。しかし、今年より再び『フランス・フットボール』誌主催の「バロンドール」へと回帰した。
この変更によって注目を集めているのが「リオネル・メッシとクリスティアーノ・ロナウド以外の受賞者が誕生するかどうか」だ。バロンドールは2007年に当時ミランのカカが受賞して以来、常にメッシとC・ロナウドのどちらかが受賞してきた。その傾向はFIFAバロンドールとなった2010年以降顕著になり、度々選考基準が物議を醸し出していた。
最も議論を産んだのはFIFAバロンドール初年度の2010年で、チャンピオンズリーグ・セリエA・コッパ・イタリアの三冠に加えてワールドカップ準優勝ならびに同率得点王を成し遂げたインテルのオランダ代表ウェスレイ・スナイデルが最終候補にも残らなかったことが大きな話題を呼んだ。
フランス・フットボール誌によるバロンドールはジャーナリスト投票のみによって選考されていたが、FIFAバロンドールに変わり各国代表監督と選手の投票が全体の投票の3分の2を占めるようになった。そのため、実績ではなく知名度が優先されると批判を浴びていた。
実際に2010年の公表された投票内訳は従来のフランス・フットボール誌によるバロンドール投票形式ではスナイデルが受賞しているはずだったことがイタリア紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』の調べによって判明している。また、2013年にもバイエルン・ミュンヘンでの三冠に大きく貢献したフランク・リベリーが受賞せず、スーペルコパ・デ・エスパーニャを除き無冠に終わったレアル・マドリーのC・ロナウドが受賞したことが議論を巻き起こした。
2016年はタイトルという視点ではメッシがバルセロナでリーガ・エスパニョーラ制覇。クリスティアーノ・ロナウドがレアル・マドリーでチャンピオンズリーグを、ポルトガル代表でEURO2016を制覇している。そのため、フランス・フットボール誌による選定方式に変更されてもいずれかの選手が受賞する可能性は高いとみられている。
それでも選考基準の変更によるポジティブな影響が期待されていることは事実だ。今年のバロンドールはより注目を集める賞となりそうである。
(文:Keiske Horie)
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