3度のシステム変更も混乱せず。ミランが見せた団結力
こうしてリードを奪った後は、モンテッラ監督が緻密に戦況を判断して細かく采配を振った。まずニアンが痛みを訴えたことに合わせてアンドレア・ポーリを投入すると共に、4-2-3-1にシステム変えて劣勢気味だったアウトサイドの守備を強化する。
さらにユベントスがマリオ・マンジュキッチを投入するや、ロカテッリを下げてCBのグスタボ・ゴメスを入れる。ユーベの2トップに対しCBを1枚余る形にした。つまり、試合中に3つのシステムを切り替えたことになる。
普通これだけいじるとチームが混乱するものだが、彼らは意図通りに動き、粘り強い守備を展開した。基本的な戦術理解がチームに浸透しているからこそできることであり、まさにここにミランの団結力を見た。
実はモンテッラ監督は、後半の早い時間から本田圭佑とホセ・ソサを長くアップさせていた。しかし両者の投入はなし。両選手には気の毒なことになってしまったが、これもまた指揮官が細く戦況を見て、柔軟な対応を図っていたことの表れだろう。
「今日の試合で選手はかなり消耗した。火曜日(25日)に対戦するジェノアはフィジカルの強いチームだから、何人かの入れ替えは考える」とモンテッラ監督は試合後の記者会見で語った。これが本田の起用を意味するものかどうか分からないが、起用された場合は全力で走り、チームとともにハードワークで勝利に貢献して欲しいものだ。
(取材・文:神尾光臣【ミラノ】)
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