18歳が決勝点。ミラン、王者ユーベを撃破
18歳のマヌエル・ロカテッリが華麗なミドルシュートを突き刺し、17歳のジャンルイジ・ドンナルンマがファインセーブで最後のピンチを救う。若手中心のミランは5人もの選手が総走行距離10km超を記録し、ハードワークを売り物とするユベントスに走り勝った。
スタメンの11人はもちろんのこと、終了間際に投入されるや否やプレスに走ってボールを狩りとったFWジャンルカ・ラパドゥーラに至るまで、全員が課せられた役割を懸命にこなしての勝利。ヴィンツェンツォ・モンテッラ監督は「我々の力とはグループだ」と結束力の強さを強調したが、それが実によくわかる内容のゲームだった。
試合運びのヒントは、前節のキエーボ戦にあった。相手のサッカーを緻密な組織守備で潰し、スピーディーな攻撃を仕掛ける彼らを、モンテッラ監督は「小さなユーベだ」と形容。カウンターを狙う相手のお株を奪うように、前方からのプレスでボールを奪いショートカウンターを仕掛けて勝った。
これは言葉通りにユーベ戦の良いシミュレーションになったようで、同じようなプランを敢行。相手の3バックやアンカーのエルナネスに対し、前線の選手は執拗なプレスを掛けてパスコースを限定する。最終ラインも勇気を持って高い位置を取り、密集した布陣を作ってユーベの選手からボールを奪い取った。
もっとも、相手の組み立ての出所をプレスで潰すというプランはユーベも持っていた。彼らが狙い撃ちにしたのは、アンカーに入っていたロカテッリだ。次々と周囲を囲んでミスを誘い、ボールを奪いに掛かる。またボールを運ぼうとしたジャコモ・ボナベントゥーラやエムバイエ・ニアンに対しても、素早く囲んでボールを奪取。そのようにしてものにしたボールは素早く左右のウイングバックに振り、両サイドを軸に次々とチャンスを創出した。