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本田圭佑 8年前

ミラン、王者ユーベ撃破のカギは「グループの力」。全選手に浸透していた2つの共通意識

ミランは現地時間22日、セリエA第9節でユベントスと対戦。相手はリーグ5連覇中の絶対王者だったが、ミランは18歳のマヌエル・ロカテッリが華麗なミドルシュートを突き刺し、ホームで1-0の勝利を飾った。ヴィンツェンツォ・モンテッラ監督が「我々の力とはグループだ」と語ったように、この試合では2つの共通意識が全選手に浸透していた。(取材・文:神尾光臣【ミラノ】)

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

18歳が決勝点。ミラン、王者ユーベを撃破

ロカテッリ
決勝点を挙げた18歳のマヌエル・ロカテッリ【写真:Getty Images】

 18歳のマヌエル・ロカテッリが華麗なミドルシュートを突き刺し、17歳のジャンルイジ・ドンナルンマがファインセーブで最後のピンチを救う。若手中心のミランは5人もの選手が総走行距離10km超を記録し、ハードワークを売り物とするユベントスに走り勝った。

 スタメンの11人はもちろんのこと、終了間際に投入されるや否やプレスに走ってボールを狩りとったFWジャンルカ・ラパドゥーラに至るまで、全員が課せられた役割を懸命にこなしての勝利。ヴィンツェンツォ・モンテッラ監督は「我々の力とはグループだ」と結束力の強さを強調したが、それが実によくわかる内容のゲームだった。

 試合運びのヒントは、前節のキエーボ戦にあった。相手のサッカーを緻密な組織守備で潰し、スピーディーな攻撃を仕掛ける彼らを、モンテッラ監督は「小さなユーベだ」と形容。カウンターを狙う相手のお株を奪うように、前方からのプレスでボールを奪いショートカウンターを仕掛けて勝った。

 これは言葉通りにユーベ戦の良いシミュレーションになったようで、同じようなプランを敢行。相手の3バックやアンカーのエルナネスに対し、前線の選手は執拗なプレスを掛けてパスコースを限定する。最終ラインも勇気を持って高い位置を取り、密集した布陣を作ってユーベの選手からボールを奪い取った。

 もっとも、相手の組み立ての出所をプレスで潰すというプランはユーベも持っていた。彼らが狙い撃ちにしたのは、アンカーに入っていたロカテッリだ。次々と周囲を囲んでミスを誘い、ボールを奪いに掛かる。またボールを運ぼうとしたジャコモ・ボナベントゥーラやエムバイエ・ニアンに対しても、素早く囲んでボールを奪取。そのようにしてものにしたボールは素早く左右のウイングバックに振り、両サイドを軸に次々とチャンスを創出した。

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