国内で加熱する「コン・フオン世代」ブーム
レ・コン・ビンが語るように、ベトナム国内でも8年前の再現を期待する声は多い。特に、この数年ベトナムで社会現象にもなっている「コン・フオン世代」ブームは過熱するばかりだ。
昨年、グエン・コン・フオンら1期生をほぼ全員トップチームに引き上げて一気に若返りを図ったことで14チーム中13位に低迷したHAGLだが、その間も国内での「コン・フオン世代」待望論は大きく、積極的にHAGLの選手を起用しなかった三浦俊也前ベトナム代表監督に不満の声があがるほどだった。
今年初めに行われたリオデジャネイロ五輪アジア最終予選を兼ねたAFC U-23選手権本大会の1次リーグ敗退の責任を取る形で解任された三浦監督だが、それまで低迷していたベトナム代表を東南アジアの大会で上位に引き上げることに成功。それどころか、アジアの大会では過去最高の成績を収めるなど結果を残してきた。
この解任劇は、世論に押された協会が監督を切らざるを得ないところまで追い込まれたというのが実際のところだろう。
後任のグエン・フー・タン監督は、就任会見で予め「ポゼッションを重視したショートパスを繋ぐサッカーを目指す」と公言している。これは即ちHAGLのスタイルでもある。
前線の大柄な外国人FWにボールを放り込むロングボール戦術が主体のVリーグにおいて、バルセロナのようなパスサッカーを標榜しているのはHAGLぐらいのため、現代表では必然的にHAGLのメンバーを中心に中盤が構成されることになった。
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