左右両足で高いキック精度。反町監督もエール
ボランチ出身のシュミットは、左右両足で精度の高いキックを操ることができる。ジェフ戦の前半38分にFW工藤浩平があげた先制点のきっかけになった直接フリーキックは、シュミットが利き足とは逆の左足で前線へ供給したフィードを競り合った際に、相手選手のファウルで獲得している。
加えて、速い動きを生かして、たとえるならばリベロのように最終ラインの背後をケアする。190センチを超えるサイズも含めて、ワールドカップ王者・ドイツ代表の守護神マヌエル・ノイアー(バイエルン・ミュンヘン)のプレースタイルを彷彿とさせる。
「ノイアーと比べるのはちょっと(ノイアーに)失礼だけど、この先、可能ならばナラさん(楢崎)と一緒のチームでプレーしてほしいかな。なかなか難しいことだと思うけど、ナラさんからいろいろ学べばもっと伸びて、日本人のキーパーではトップになるよ。どんどん上を目指してほしいし、ちょっとミスをしたときなどは俺もアドバイスを伝えるようにしている」
田中が再び声を弾ませれば、松本を率いて5シーズン目になる反町康治監督は北京五輪代表監督や、イビチャ・オシム監督のもとで日本代表コーチを務めた経験からシュミットへエールを送る。
「守備範囲が非常に広いので、いまのサッカーに求められる資質はもっているのかな。ボールもしっかりと動かすことができるからね。ただ、一番大事なゴールマウスを守るという意味では、僕も川島永嗣と西川周作のことはよく知っていますけど、彼らと比べることが難しいかもしれないというか、まだまだ努力しなくてはいけないかな。もちろん、ウチに来たときよりも成長した感じがあるし、ウチのキーパーコーチの厳しい指導のもと、トレーニングを人一倍積んでいることが自信にもなっていると思う」