中断期間は意義ある時間に
あえてキャンプという形をとったのも、自分自身、そして仲間とより向き合うため。他愛もない雑談から全員参加のミーティングまで、様々な場面で対話は生まれるはずで、そこからチームとしての一体感や団結をさらに強めることができる。
その『一体感や団結』だけで勝てるのか、と問われればイエスとは言えない。しかし、これらの要素がなければ勝てる試合も落としてしまうだろう。ましてや磐田は危機的状況から這い上がらなければならない立場であり、そのための最善の方法を“原点回帰”と結論付けたのだから、このキャンプでチームの方向性を再確認し、さらに深める必要がある。たかが3日間だが、間違いなく大事な3日間だろう。
3週間の中断期間のうち、最初の2週はフィジカル中心のメニューとした。そして、今回のミニキャンプは「戦術メイン」と指揮官が言うように、対戦相手をイメージした上でのトレーニングとなった。
特に、初日に行われたゲーム形式の練習は緊張感があり、雰囲気も良かった。「このキャンプではあまり身体をいじめないと聞いていたけど、結構ハードだった(笑)」と宮崎は言うが、その表情には充実感が見てとれた。
チーム全体が目的意識と危機感を持って練習に取り組んだのは間違いない。今回の中断期間は、サックスブルーにとって意義のある時間となった。
(取材・文:青木務)
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