対岸の火事ではなくなったJ2降格危機
「尻に火がついているし、余裕すらなくなった。今までも余裕は感じていなかったけど、より負けられない戦いになってくる。まずは名古屋戦に向けて勝つことだけを考えて、どんなサッカーになろうと勝つことだけを考えて3週間を過ごしていきたい」
ロシアW杯アジア最終予選開催のため、明治安田生命J1リーグは2ndステージ14節を終えた時点で中断期間に入っている。再開まで1週間を切ったが、ジュビロ磐田はJ1残留という大きなミッションを完遂するための準備に入っている。ボランチの宮崎智彦は、勝利のみを追求する意思を示した。
中断前最後の試合となったアルビレックス新潟戦を1-2で落としたサックスブルーにとって、J2降格の危機はもはや対岸の火事ではなくなった。それでも、年間勝ち点32の13位ということを考えれば、数字の上ではまだ優位な状況だ。降格圏の16位・ヴァンフォーレ甲府は勝ち点28と差は小さくない。
リーグ再開後初戦の相手である15位・名古屋グランパスとも3ポイントのリードがある。しかし、チームの勢いという面では名古屋に分があると言わざるを得ない。ジュロヴスキー監督が就任し、田中マルクス闘莉王が電撃復帰したチームは3勝1分1敗と力を取り戻しており、不振に喘いでいた頃の面影はない。
対する磐田は湘南ベルマーレ、新潟とのホーム2連戦で白星を挙げることができなかった。特に新潟戦は、試合の終わらせ方に課題が残った。1-1で試合が進む中、名波浩監督は選手たちに対して「残り10分くらいから、勝ち点1も考えろ」と指示を送っていたという。しかし後半終盤、自陣右サイドを突破されると、クロスからフリーの相手にゴールを奪われてしまった。