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日本代表 8年前

日本代表は本当に“守備的”だったのか。データが明らかにするオーストラリア戦の真実【データアナリストの眼力】

シリーズ:データアナリストの眼力 text by 中山佑輔 photo by Shinya Tanaka, Getty Images

3人で作る壁と3人のユニット

【図1】オーストラリア戦では、本田を頂点に原口と小林で最前線の壁を作っていた。いっぽうで中盤では、香川、長谷部、山口がユニットとして連動していた。
【図1】オーストラリア戦では、本田を頂点に原口と小林で最前線の壁を作っていた。いっぽうで中盤では、香川、長谷部、山口がユニットとして連動していた。

 オーストラリア戦で日本代表が構築した守備ブロックは中央を固めていた。そのためオーストラリアはバイタルエリアにボールを入れて崩すことができず、サイドにボールを運んでいた。庄司はこの点もアトレティコ・マドリーと似ている点だと指摘する。

「アトレティコは4-4-2と4-1-4-1を併用していますね。今回の日本代表は基本的に4-2-3-1を採用していて、シメオネのチームと並びは違うのですが、その機能性は近いものがあります。図1のような感じです。本田を頂点に原口と小林が屋根を作る。そして香川、長谷部、山口がバケツとなるイメージです。

 基本的には屋根を通過させないようにしつつも、『雨漏り』のように中盤のエリアにボールが入ってきた場合は、バケツの役割を果たす中盤の3枚が迎撃します。このようにして中央を固めることで、サイドにボールを誘導できる。そこでボールを奪って、本田など前線の選手にボールを出すんです」

 本田の1トップ起用というと、南アフリカワールドカップの戦いが思い出されるが、庄司は当時の岡田ジャパンとオーストラリア戦の日本代表に通ずるものを見ているという。

「アンカーを置くかトップ下を置くか、というところでの違いはありますが、前線の三枚で壁を作り、中盤の3枚がユニットとして動くという点では、共通点があると思います。今回はトップ下に香川を置いているので、南アのときよりも前への圧力は強くなっていると言えますね。この戦い方だと、全選手に守備面での規律が求められます。ハリルホジッチ監督の交代が遅くなったのは、この点を懸念したのではないでしょうか」

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