大逆転を演出した楠神の献身。今季初勝利に大貢献
開幕戦で多くの課題を露呈したWSWだが、14日に行われたアデレード・ユナイテッド戦では勝利への執念を見せた。
早くも昨季のグランドファイナル(リーグ優勝を決めるプレーオフ決勝)の再戦となったこのカードでWSWのポポヴィッチ監督は、前節崩壊した守備陣にテコ入れした。直前に昨季まで守備の要だったニコライ・トポ=スタンリーがUAEへ移籍したものの、出場停止のボルダに代えて若手有望株のジョナサン・アスプロポタミティス(通称:アスプロ)を抜擢。
左サイドバックには中央か右が本職のブレンダン・ハミルではなく、メルボルン・シティから獲得した闘争心旺盛なジャック・クリスビーを起用し、前節低調だったボランチのブルーノ・ピニャタレスはカーリン・バッカスに代えられた。
しかし、この試合でもWSWはサイドを崩されてアデレードに先制を許してしまう。43分、左サイドに釣り出されたアスプロがライアン・キットに振り切られ、中央で待っていたエンリケがクロスを受けて振り向きざまにシュートを突き刺した。
前節はここから崩壊が始まったが、この日のWSWは違った。相手の攻撃にしっかり耐えると、武器である鋭いカウンターで同点ゴールを奪う。67分、味方からのパスを受けた楠神が身を挺してキープし、ボールは左サイドへ。そこへ駆け上がっていたクリスビーが再び逆サイドへ振り、ミッチ・ニコルスの折り返しを途中出場のブレンダン・サンタラブが押し込んだ。
そして後半アディショナルタイム、前節から輝きを放っていた楠神とニコルスの関係から逆転ゴールが生まれる。
ニコルスからパスを受けた楠神は、ドリブルで少し前へ運ぶと、ペナルティエリア内の狭いスペースにスルーパスを通す。そこに走りこんでいたのはニコルス。見事な崩しで、最後はスーパーサブ・サンタラブが劇的な逆転ゴールをたたき込んだ。