「想定外」だったダービーでの惨敗
まさに守備崩壊。ウェスタンシドニー・ワンダラーズ(WSW)のディフェンスが音を立てて崩れる様を見せつけられた試合だった。
今月8日に行われたオーストラリア・Aリーグ開幕戦。ウェスタンシドニー・ワンダラーズとシドニーFCによる13度目の「シドニー・ダービー」は、0-4という衝撃的な結果に終わった。勝ったのはアウェイのシドニーFCだった。
この試合がAリーグデビュー戦となったWSWの楠神順平は「ダービーで0-4は……前半の感じからしてそんなことになると思っていなかったし、すごくチャンスもあった。勝ちたいと思っていたし、想定外というか……」と言葉に詰まりながら歴史的大敗を振り返った。
歴史的というのは負け方だけではない。今季からWSWの本拠地パーテック・スタジアムが建て替え工事に入る関係で使用できないため、かつてのオリンピックスタジアムで行われたシドニー・ダービーにはリーグ戦歴代最多の6万1880人の観客が詰めかけた。前売りの段階で6万枚近いチケットが売れるほど注目度の高い一戦だった。
それだけに楠神は「本当にすごくいい雰囲気を作ってくれて、うちもそうですけどシドニーFCの方もすごくいい雰囲気だったから、この0-4というのはちょっと受け入れられない」と肩を落とす。
WSWは後半開始してすぐの50分に先制を許す。元オーストラリア代表のデイビッド・カーニーがクロスを上げると、中央でWSWのCBアリツ・ボルダがマークミスを犯し、その隙をフィリップ・ホロスコに突かれた。
この1点でWSWの守備は弱気になり、崩壊へ向かっていく。直後の55分、再び右サイドからクロスを上げられると、ここでもボルダがホロスコに振り切られて折り返されてしまう。最後は中央の狭いスペースに走り込んでいたブラジル人FWボボにゴールを割られてしまった。