ドルトムントはアウェイで勝利。しかし香川に納得の表情はない
もっとも、「課題」が生まれたのは香川だけではない。
「改めてああいう1つのミスからの失点で、さらに相手チームの勢いを加速させるっていうのは肌で感じた。これが予選で良かったですし、この経験をしっかりとまた活かして、こういう中で勝ち切ることが染み付いていければいいんじゃないかと」
67分、バルトラのバックパスをGKビュルキがキャッチしてしまい、スポルティングにエリア内で間接FKが与えられる。ウィリアム・カルバーリョが軽く触れたボールを、ブルーノ・セザールが豪快に蹴りこんだ。
ドルトムントは結果的に2-1で勝ち切ることはできたが、「1つのミスからの失点」は、アウェイゴール・ルールのある決勝トーナメントでは命取りになりかねない。そのことを「肌で感じた」のは香川だけではないだろう。
苦しいチーム状況の中で、CLのアウェイゲームを勝ち切ったことは、評価されて然るべきだろう。ドルトムントは依然としてグループFの首位をキープしている。このまま勝ち癖を付けて行きたいところだ。
しかし試合後の香川に納得の表情は無かったように、「課題」が噴出した試合でもあった。次のインゴルシュタット戦は4日後に控えている。時間はそんなに多くはない。
(取材・文:本田千尋【リスボン】)
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