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Jリーグ 8年前

決勝にしか出場できなかった代表選手たち。ルヴァン杯、代表ウィーク開催の弊害と改革の余地

text by 藤江直人 photo by Asuka Kudo, Getty Images

代表選手不在の大会というイメージの定着

 国際Aマッチデーによるリーグ戦の中断期間に開催されることで、平日ではなく週末にYBCルヴァンカップを開催できるメリットも生まれる。今シーズンも準々決勝と準決勝の第2戦はともに日曜日に行われたが、J1で群を抜く集客力を誇るレッズでさえ、6万3700人収容の埼玉スタジアムでそれぞれ1万9253人と2万6876人にとどまっている。

 代表選手が不在の大会、というイメージが定着してしまったがゆえに、決勝戦以外は集客に結びつかないのが現状だ。リーグ側は1996シーズンから、準決勝までの試合で最も活躍した23歳以下の若手選手を「ニューヒーロー賞」として表彰。未来の日本代表選手へとつながる“登竜門の大会”なる側面を与え、実際に長谷部誠や原口元気(ともに当時レッズ)、宇佐美貴史(同ガンバ)とハリルジャパンの常連が受賞者に名前を連ねているが、なかなか大会全体のステータスが上がらない“ジレンマ”を抱えてもいる。

 これが国際Aマッチデーを外してスケジュールが組まれると、どのようなメリットが生まれるのか。各チームの監督がベンチ入りメンバーを選ぶうえでの制約がなくなるばかりか、4年後の東京五輪へ向けて最大の懸念事項となっている、いわゆる「東京五輪世代」の強化でもさまざまな施策が可能になる。

 たとえば2015シーズンを振り返ると、手倉森誠監督(現日本代表コーチ)に率いられたU-22日本代表は、ファーストステージ開幕直後の3月11日のU-22ミャンマー代表戦と、セカンドステージ開幕までの中断期間の7月1日のU-22コスタリカ代表戦の2度しか国際親善試合を組めていない。

 リオデジャネイロ五輪の出場権獲得へ向けてチームとしての実戦不足を補おうと、J3に参戦させていたJリーグ・アンダー22選抜の顔ぶれを実質的なU-22日本代表に変更。J2への昇格争いを演じていたFC町田ゼルビア戦に臨ませたことで、リーグ戦の公平感を損なうのでは、という物議を醸したこともあった。

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