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Jリーグ 8年前

決勝にしか出場できなかった代表選手たち。ルヴァン杯、代表ウィーク開催の弊害と改革の余地

text by 藤江直人 photo by Asuka Kudo, Getty Images

代表ウィーク開催が慣例化しているルヴァン杯

ルヴァン杯準々決勝と準決勝で浦和レッズのゴールを守ったGK大谷幸輝
ルヴァン杯準々決勝と準決勝で浦和レッズのゴールを守ったGK大谷幸輝【写真:Getty Images】

 常に努力を惜しまない苦労人の後輩が刻んだ軌跡に、最大級の敬意を表したいからか。PK戦では4番手のFW呉屋大翔の一撃を右足で止め、トレードマークの笑顔を一瞬だけ雄叫びをあげる鬼気迫る表情に変えた西川は、終了後の取材エリアで感謝の思いを大谷へ捧げている。

「大谷選手が準々決勝、準決勝を戦ってくれたことで、与えてくれた舞台だったので。何としても勝たなければ、という責任があったなかで、しっかりと勝てたことは本当によかったと思っています」

 お互いをリスペクトし合う思いが、チームの結束力をも高める相乗効果を生み出したことは想像に難くない。一方でJリーグが産声をあげる前年の1992年から開催され、同一スポンサーによる世界最長のカップ戦としてギネス世界記録にも認定されているYBCルヴァンカップを、常にベストメンバーで戦える大会にしてほしいという思いもある。

 今シーズンを振り返れば、グループリーグ第1節、2節、7節も国際Aマッチデーと重複している。J1が18チーム体制となり、同時進行でACLが開催されるようになった2005シーズン以降では半ば慣例化しているスケジュールだが、そろそろ改革のメスを入れる段階にさしかかっているのではないだろうか。

 今月12日の月例理事会で、Jリーグは来シーズン以降のJ1の大会方式を「1ステージ制」に戻すことを全会一致で決めた。具体的なスケジュール作成はこれからになるが、たとえば今シーズンは11月3日でリーグ戦の全34試合を終えるところを、チャンピオンシップが廃止になることで12月第1週にまで遅らせることが可能になる。

 折り返し点となる夏場に「サマーブレイク期間」を導入し、海外のビッグクラブを招聘してのプレシーズンマッチ開催やJクラブの海外遠征を奨励することも決まった。それでも日程的にはまだ余裕が残っているはずだからこそ、YBCルヴァンカップのあり方もあらためて議論されるべきだろう。

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