190cmに満たない西川。低身長をカバーするステップワーク
その基準を満たす選手は今回のメンバーでは195cmの林と196cmのシュミットで、現在の正GKと第二GKである183cmの西川と184cmの東口はもちろん、リオ五輪を経験した186cmの櫛引と184cmの中村も満たしていない。
「180cmのキーパーもハイレベルには行けると思うが、ただ困難はかなりある」とストレートに表現するハリルホジッチ監督からすれば、林やシュミットの様な長身選手が台頭して、西川や東口を追い越す様な存在になれば理想的かもしれない。
だがしかし、そうした流れを従順に受け入れるほど現在の守護神はやわではない。西川は「僕は本当に身長的にも低いですし、そこは自分でも分かっている」と前置きしながら「190cmの選手に無いもので勝負していかないといけないと思っていますし、世界を見てもデカいだけではいけないというのはある」と語る。
「足を動かすところ、ステップワークは自分が自信をもってできるところですし、そういうアジリティ的なところでカバーしていかなければ身長はカバーできないと思う。そこはもう無いものは無いので、割り切ってやっています」
その特徴をより押し出すためにも「自分が出るからにはもっと後ろからつなぎたいですし、つなげる環境を自分からも味方に対してもっともっと要求したい」と主張する。実際、イラク戦で日本のラインが全体的に低くなってしまったことを指揮官に指摘し、練習メニューに取り入れることを相談したという。
「監督もそこは思っていたことですし、ラインが下がり過ぎたからディフェンスも競りにくかったというのは話してくれていた」と西川は語るが、思ったことを遠慮なく監督や仲間に話して改善の方向を探っていけるのは“ハリルJ”の立ち上げから信頼を築いてきた選手のアドバンテージだ。