継続性か、ローテーションか
元チリ代表指揮官が同じ絵を描き続けたことで被害者となった選手の一人が、負傷やローテーションや代表戦の影響に泣くことになった清武弘嗣だ。
日本代表でのオーストラリア遠征を終え、疲労を溜めて戻ってきた清武は、招集メンバーから外された。その後、チャンピオンズリーグのグループステージ第3節ディナモ・ザグレブ戦のため月曜日にクロアチアへと向かった19名のメンバーの中には復帰している。
現状では、清武の存在は不確定要素に取り巻かれている。いつ、どのような形でサンパオリ監督の構想に返り咲くことになるのかは、監督本人にしか分からない。
ここ3試合の戦い方に継続性を持たせたいと考えるようであれば、チームの入れ替えは最小限にとどめるだろう。今後3週間の慌ただしい試合日程に安心して臨むためローテーションが必要だと判断するようなら、清武も再び選択肢に入ってくるはずだ。
ハノーファーからやって来た清武は、この夏にモンチSDが獲得した計11人の選手たちのうち2番目だった。基本的にはウナイ・エメリ前監督が獲得を要請したか、少なくとも獲得にゴーサインを出した選手だったということになる。
スタートも決して順調なものとはならなかった。プレシーズン期間にいきなり負傷してしまった選手の一人であり、1ヶ月の離脱になると診断された右足内転筋の重度IIの損傷から回復するため時間との戦いを強いられた。
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