BVBはなぜ活性化したのか?
65分、香川が左サイドのモルに大きくサイドチェンジ。モルの折り返しに、オーバメヤンが飛び込むが、ブルックスが足を出してクリア。
67分、デンベレが中央をドリブルで突破し、オーバメヤンにラストパスを送る。オーバメヤンのループシュートは、GKヤースタインが手で弾いて、右のゴールポストに当たる。
77分には香川のシュートが原口元気の手にあたり、PKを獲得。オーバメヤンは決めきれなかったが、香川とデンベレによって、ドルトムントの攻撃は活性化した。
“非常事態”が産んだ[香川+デンベレ]は、これからもドルトムントの武器になっていくのかもしれない。年齢も離れ、タイプも違う2人が組んだからこそ、攻撃に奥行きとダイナミズムが生まれた。特にヘルタにとって、インサイドハーフのデンベレは脅威となったようだ。
原口元気は言う。
「あの時間帯に入ってきて、あそこらへんでフラフラしていて、あのスピードでしょ、なかなか掴めないですよね」
そして同点弾をもたらしたのは、「フラフラしていた」デンベレだった。80分、メリーノが縦パスを通し、デンベレが抜け出す。左からの折り返しを、ファーサイドでオーバメヤンが詰める。試合は1-1のドローで終わった。
香川とデンベレのインサイドハーフで“非常事態”を凌いだ、ヘルタ・ベルリン戦だった。
(取材・文:本田千尋【ドルトムント】)
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