デンベレと香川の投入で、BVBに“違い”
中央を抑えられたドルトムントは、モルのドリブルが目立ち、個に頼りがちだった。ソクラティスも離脱したCBに入ったメリーノが、バルトラと違って縦パスを得意としていないこともあるだろう。攻撃に変化が乏しく、行き詰ってはヘルタのカウンターを喰らった。
後半に入っても状況は変わらない。51分にはシュトゥッカーに決められ、1点のビハインドを負ってしまう。そこでトゥヘルが動いた。60分、ローデに代わってデンベレが、ゲッツェに代わって香川が投入される。布陣は[4-1-4-1]に変わる。インサイドハーフに並んだのは途中出場の2人、香川とデンベレだ。
香川とデンベレがインサイドハーフで組むのは、今季これが初めてのことになる。ゲレイロとカストロが離脱したことで、トゥヘルは中央の新しい組み合わせを考案したようだ。もっとも今季、香川はトップ下としてSHのデンベレと同じピッチに立ってきている。デンベレとのコンビネーションに、違和感はなかったようだ。
「まあ今までやっていますし、ここで改めて言う必要はないと思いますけど、彼の能力は素晴らしい。すごく違いを生み出せる選手だと思うし、チームにとって本当に貴重な選手だと思います」
香川とデンベレを軸に、ドルトムントは前半とはまるで違う状況を作り始めた。後半も15分が過ぎて、ヘルタにも疲労が溜まり始めていた。
「相手もすごく疲労していましたし、ウスマン(・デンベレ)も入ったら彼のスピードだったり、ドリブルが相手に脅威を与えましたし、僕もなるべくボールを受けたり、リズムを作ろうという意識は持っていました」
【次ページ】BVBはなぜ活性化したのか?