現在のドルトムントが有するプランAとプランB
現在このポジションでは、香川とゲッツェが起用可能だ。なので、まず“プランA”としては、2人をそのままインサイドハーフのポジションに並べる、ということになる。ボランチにヴァイグルを配置するこの形は、既にプレシーズンで試されている。ゲレイロのインサイドハーフ起用のような、目覚ましい成果は出ていないが、ぶっつけ本番ではないので、“プランA”の採用はあり得るだろう。
気がかりなのは香川のコンディションの状態だ。日本、オーストラリアと地球の裏まで移動して、ドイツに戻ってきたばかり。代表参加前のドルトムントでは調子を落として、出場時間は4試合45分に留まっていた。オーストラリア戦ではフル出場したが、移動距離と時間も含め、万全とは言い難いのではないだろうか。18日にはアウェイのポルトガルでのCLスポルティング・リスボン戦も控えている。
そこで考えられるのは“プランB”だ。[4-2-3-1]の布陣で、ゲッツェをトップ下に配置して、ヴァイグルとローデがダブルボランチを組む。ゲッツェも8日のチェコ戦、11日の北アイルランド戦とフル出場したが、いずれの試合もドイツ国内で行われており、移動の負担はほとんどない。
ドルトムントはシーズンの序盤をこの布陣で戦っており、“プランB”を採用したとしてもリスクは少ないだろう。この場合、香川はベンチスタートとなるが、ドルトムントが野戦病院化していることを考えれば、途中出場の機会は巡ってきそうだ。
トゥヘルは対戦相手のヘルタを「とてもコンパクトで、戦術的に極めて高い規律が取れている」と警戒する。
「我々は非常に忍耐強く食らいつき、テンポ良くプレーするつもりだ」
ヘルタは、監督ダルダイが“守備をしない王様”サルモン・カルーを外してから、攻守においてより全体として統一され、2位と好調を維持している。
3位のドルトムントとしては、チーム状況も相まって、格上に挑む気持ちでヘルタ戦に臨まないと痛い目を見ることになりそうだ。
(取材・文:本田千尋【ドルトムント】)
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