「チャンピオンシップから多くを学んだ」(村井チェアマン)
こうした状況を受けて12日の理事会を迎えたわけだが、終了後に記者会見に臨んだ村井チェアマンは、前執行部の決断に敬意を表しながらこう語っている。
「確かに2013年のときの大東さん、もしくは執行部が2ステージ制を発表したときに『一定の期間やります』と発表したかもしれませんし、私としてもそのような発表があったことをある程度認識しつつ、大東さんがなされた苦渋の決断を2年で撤回することに対してすごく葛藤はありましたが、日本のサッカーがよりよくなるために、今回が意思決定するタイミングであると自分のなかで決めました。
ファンやサポーターの皆さまに関しては、本当に多くの議論をいただきましたし、ある意味で賛否が真っ二つに分かれました。皆さまの多くがJリーグを愛し、ずっと支えてきていただいた方々であることもわかっております。この間、多くのファンやサポーターも方々も葛藤を抱えてきたと思いますが、それに対しては今後Jリーグが発展していくことで恩返しをしていきたいと思っております」
言葉と言葉の合間から、状況的に待ったなしであることが伝わってくる。1ステージ制では本来なら“中だるみ”となる折り返し点で、昨シーズンは浦和レッズが史上初の無敗優勝を達成したファーストステージのヤマ場を迎えたことで新聞やテレビにおける露出量が激増し、公式ツイートのインプレッション数も10倍に達した。
サンフレッチェ広島とガンバ大阪が対峙したチャンピオンシップ決勝は、TBS系列の地上波で生中継された第1戦が7パーセント、NHK総合の第2戦が10パーセントをそれぞれクリア。ゴールデンタイムにおいて、実に1800万人のファンが視聴した事実を村井チェアマンは2ステージ制の財産と強調する。
「決勝戦がいつ行われ、どこでタイトルが決まると事前にわかっている価値は、中継の準備ができる点も含めて、興行的な視点で非常に有利であることをあらためて認識しました。2ステージ制を何かに生かし、後世に伝えたいと考えるなかで、たとえばYBCルヴァンカップは決勝が事前に決まっているわけですから、チャンピオンシップから得た経験や知見、ノウハウをもっともっとつぎ込んでいくことで、いろいろな仕掛けをしていく。そこに関しては、チャンピオンシップから多くを学んだと思っております」