CS開催にともなう日程的な問題
現状では残念ながら、会長を含めた幹部職を中東勢に牛耳られているアジアサッカー連盟の動向がなかなかつかめない。必然的に11月は2つの週末でJ1を開催できず、そこに国際Aマッチデーが加わることもあって、実に3週間もの“空白”が生まれる状況を余儀なくされる。
今シーズンはセカンドステージ最終節を11月3日に設定。その後の中断期間をはさみ、Jリーグチャンピオンシップ準決勝を同23日に開催するスケジュールを組んで、リーグ戦が“飛び石”状態になる状況に修正を加えた。しかし、チャンピオンシップ出場クラブが「4」ないし「5」になった場合には、1回戦を中断前の6日に組まざるを得なかったという課題も実は残されている。
昨シーズンを振り返れば、ACL準決勝まで駒を進めたガンバ大阪が決勝に進出した場合、ガンバのセカンドステージ第16節と最終節を大幅に前倒しせざるを得ず、最終節を同時刻のキックオフで行うリーグ戦の公平感を損なうとして、大きな議論を巻き起こしていたことは容易に推察できる。
セカンドステージ最終節を約3週間前倒しした今シーズンにおいても、チャンピオンシップ出場を逃し、天皇杯でも早期に敗退したクラブの選手たちは来シーズンの開幕まで、4ヶ月ものオフに入ることになる。元旦の天皇杯決勝まで戦ったクラブとは、実に2ヶ月もの“差”が生じてしまう。
村井チェアマンはJ1の全18クラブの所属選手の意見を聴取するうえで、日本プロサッカー選手会(JPFA)の全面的な協力を得た。9月2日にはJPFAの高橋秀人会長(FC東京)と意見交換の場をもち、その際に「Jリーグのシーズンが一斉に終わることが非常に重要」という要望を伝えられてもいる。
2014シーズンまで10年間実施された1ステージ制では、12月第1週に最終節が開催されてきた。天皇杯の勝ち進み具合によって若干の差異こそあるものの、従来のスケジュールに戻せばJPFAが求める「オフの期間の均等化」を達成することが可能になる。
5月に熊本県を襲った大地震も、J1の大会方式変更を後押しするきっかけとなった。被災したロアッソ熊本はリーグ戦の5試合を延期せざるをえず、ウイークデーを利用しながらすべてを消化したのは9月7日だった。1ステージ制で戦うJ2だからこそ対処できたもので、村井チェアマンもこう語っている。
「自然災害が非常に多い日本において、大会方式のあり方としては1年をかけて戦うことが重要であるとも指摘されました」