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日本代表 8年前

【識者の眼】ハリルJが披露した戦い方のベース。相手に応じた戦術。機能性を優先することのネック

10月11日、2018ロシアW杯アジア最終予選、アウェイでのオーストラリア戦に臨み、引き分けで勝ち点1を獲得した日本代表。勝利こそ得られなかったが、相手の長所を封じ、弱点をつく戦いを見せ、今後のベースとなりえる試合を見せたと言える。(取材・文:河治良幸【メルボルン】)

text by 河治良幸 photo by Getty Images

相手の対策を明確に仕込んだオーストラリア戦

日本代表を率いるヴァイッド・ハリルホジッチ監督
日本代表を率いるヴァイッド・ハリルホジッチ監督【写真:Getty Images】

“相手のストロングポイントを消し、ウィークポイントを突く”

 ハリルホジッチ監督の戦い方をあえてシンプルに表すなら、この言葉が当てはまる。ただし、それを効率よく正確に実行する、そして対策に応じた柔軟な戦術を実行するには高いスタンダードが求められる。全員が攻撃にも守備にも関わること。それが昨年3月の就任時に掲げたメッセージだった。

 攻撃時にもDFの役割があり、守備時にもFWの役割があるということ。それが攻撃的であろうと守備的であろうと、メンタルもタクティカルも常に試合に関わることがチーム全体としてのインテンシティーを高めるということだ。

 二次予選のシリア戦が終わった後に、ハリルホジッチ監督はチーム作りの第一段階が完成したことを告げた。

 日本の課題だった相手ディフェンスの背後を狙う意識、3つの高さの守備ブロック、ボールを奪った後に最も効率よく次の攻撃に移るためのファーストパス、縦を基本に角度のある1&2タッチでのパスワーク、素早い攻守の切り替え、そしてよく話題にのぼる“デュエル”といった基本事項を繰り返し選手に伝えた。

 もちろん試合に応じた戦い方は伝えていたようだが、今回のオーストラリア戦はより明確に相手の対策を入れてきた。

「選手たちは特に守備面で素晴らしい試合をしてくれた。相手にわざとポゼッションをさせて、得点を取る可能性があることも最初からわかっていた」

 そう語るハリルホジッチ監督がアウェイのオーストラリア戦で用いた戦い方は予選突破、さらに本大会を見据える日本のベースとなるものだ。だが、4-4-2と4-1-4-1を併用するシステムや本田のFW起用を今後も固定的に使っていくとは考えにくい。

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