豪州が醸し出すアジア王者の自信と余裕
いよいよ決戦の日がやってきた。しかし、そう思っているのは日本だけかもしれない。11日のオーストラリア代表対日本代表は、これまでのイメージとはまったく違う試合となりそうだ。
オーストラリア代表のアンジ・ポスタコグルー監督は前日記者会見の中で「私はJリーグがアジアで最も強力なリーグだと思っている。現時点で日本といい勝負ができるのは代表戦だけ」と、日本サッカーにリスペクト示すような姿勢を見せたが、あくまで相手を油断させるためのリップサービスに過ぎないかもしれない。
公式練習は冒頭15分間だけの公開だったが、ピッチにはすでに戦術練習の準備がされており、日本対策用のオーガナイズを惜しげもなく披露した。4-2-3-1の2列目の3人が中央寄りになることを想定したもので、「我々はこう戦いますよ」と言っているようなものだ。
近年は拮抗した展開から引き分け、あるいは日本の勝利が続いているものの、オーストラリアからはもはや余裕すら感じられる。昨年アジア杯を制したからか、選手たちも日本戦を前にしてことあるごとに「アジア王者なので…」と発言し、覇者の威厳とプライドをのぞかせた。
そんなオーストラリア代表だが、ポスタコグルー監督は「1~2人の変更がある」と先発メンバー入れ替えを認めつつ、「チーム全体の調子はいい」とサウジアラビアからの移動による影響がないことを強調した。
おそらく1人はサウジアラビア戦で低調だった右サイドバックのマーク・ミリガンだろう。守備陣のリーダー的存在ではあるが、サイドは本職ではなかった。代わりにライアン・マッガワンが先発すると見られる。
また、中盤の底で睨みを利かせていたキャプテンのミレ・ジェディナクもコンディションに問題を抱えており、先発回避の可能性がある。前日練習には姿を見せたが、9日の練習には参加していなかった。ここにはスペシャリストのミリガンが入る見込みだ。